藤本大学~徒然なるままに(弁護士ぎーちのブログ)

ぎーち(弁護士藤本一郎:個人としては大阪弁護士会所属)のブログです。弁護士法人創知法律事務所(法人は、第二東京弁護士会所属)の代表社員です。東京・大阪・札幌にオフィスを持っています。また教育にも力を入れています。京都大学客員教授・同志社大学客員教授・神戸大学嘱託講師をやっています。英語・中国語・日本語が使えます。実は上場会社の役員とかもやっていますし、ビジネスロイヤーだと認識していますが、同時に、人権派でもあると思っています。要するに、熱い男のつもりです。

受験英才型?


産経新聞9月26日付
【「就職できない!」 法科大学院修了者の新司法試験の合格率低迷】
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/080926/trl0809261324004-n1.htm


記事本文じゃなくて解説部分

【新司法試験】「受験秀才型しか合格しない」との批判があった旧司法試験の反省から作られた。平成22年までは旧司法試験との2本立て。法科大学院で2年ないしは3年の専門教育を受けた修了者を対象に受験資格が与えられる。合格後は司法修習生として司法研修所の卒業試験に合格すると法曹資格を得ることができる。


 「受験秀才型しか合格しない」という批判があったとは私は知らなかったなあ、旧司法試験。
 確かに、司法試験予備校の弊害があれこれ叫ばれてはいた、けど。


 全員じゃないけど、新司法試験になってから、一部の法科大学院卒の人ではエリート思考というか、前ほど弱い人のために、とか、そういう発想が弱くなっていている気がする。そういう人達が「受験秀才型」なのかどうか分からないけど、弁護士法1条、2条から少し遠くなったような気がすることがある。


(弁護士法)
第1章 弁護士の使命及び職務
 第1条(弁護士の使命)
 弁護士は、基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とする。
2 弁護士は、前項の使命に基き、誠実にその職務を行い、社会秩序の維持及び法律制度の改善に努力しなければならない。

第2条(弁護士の職責の根本基準)
 弁護士は、常に、深い教養の保持と高い品性の陶やに努め、法令及び法律事務に精通しなければならない。


 弁護士にとって大事なのは、「基本的人権を擁護し、社会正義を実現する」ことであり、「法令及び法律事務に精通すること」であることが分かると思います。仮に、新司法試験によって、「法令及び法律事務に精通」するレベルが下がり、かつ、もしも、「基本的人権を擁護し、社会正義を実現する」レベルも下がっているとするならば、かなり大きな問題であると言えるでしょう。


 私のような旧試験時代より2〜3年長く法科大学院という専門職博士課程で勉強するんだから、そんなことはない、と信じたいですが、時々不安になります。


 まあ、私には「深い教養の保持と高い品性の陶や」はないかもしれませんが、一応これでも「努め」てはいるんですけどね、一応。