「人を自分のために利用してはダメ」
先週末から今週頭にかけて、中国に出張しておりました。
その合間で、華東政法大学にてちょっとした発表を行う機会があったのですが、その時に隣に座られた、中国法ではとても有名な弁護士が、いくつか私に発した言葉の1つが、今回のタイトルです。
日本側と中国側で3名ずつが、中国語で倒産法や組織再編に関する発表を行うという会議だったのですが、中国側が、その有名な弁護士に対し、丁寧に過去の恩義に謝意を述べられたのが、まずとても印象的だったのです。そのことをその方に申しあげると、中国人は、本当に丁寧に接すれば、自分は大したことをした訳ではないのに、いつまでのその恩義を忘れない、そのことをしみじみと仰り、そして最後に、その逆として、「人を自分のために利用してはダメだよ」と仰ったのです。
私自身、そのような「自分のために利用」するようなつもりは、今まで何もないつもりではあります。
しかし、日々の忙しさや、色々な理由で、そのように解釈されてしまうような行為が1つもなかったか、と問われると、100%の自信をもって「ない」と断言できないかもしれません。別に、人に後で、ああやって感謝されたいとは思わないのですが、違う国の人と人との間で生きていく訳ですから、特に誤解されるような行為はないようにしたいし、その有名な弁護士のようにはなれなくても、日中交流の力に、よこしまな気持ちなく尽くせればいいなあと、本当に思った次第です。