藤本大学~徒然なるままに(弁護士ぎーちのブログ)

ぎーち(弁護士藤本一郎:個人としては大阪弁護士会所属)のブログです。弁護士法人創知法律事務所(法人は、第二東京弁護士会所属)の代表社員です。東京・大阪・札幌にオフィスを持っています。また教育にも力を入れています。京都大学客員教授・同志社大学客員教授・神戸大学嘱託講師をやっています。英語・中国語・日本語が使えます。実は上場会社の役員とかもやっていますし、ビジネスロイヤーだと認識していますが、同時に、人権派でもあると思っています。要するに、熱い男のつもりです。

間違った横並び


 GMがChapter 11を申立したそうですね。
 マンハッタンの南端の方にある破産裁判所に申立をしたのでしょうか。
 341 meetingはいつでしょうかねえ。かつて債権者代理人として出席したことが懐かしいです。今のところ、私にこの件での依頼がないのが残念です。


 さて、GMの破綻の原因は、変化に対応できなかったことだと、色々な所に書かれています。
 同じこと?は、法科大学院についても言えます。今日の新聞にも、定員減について書かれているものがありました。定員削減をしない法科大学院は僅かだそうです。難関校であれ、地方校であれ、大抵は、2割程度の定員を削減するようです。


 何故横並びで、定員を削減するのでしょうか。
 ナンの問題の解決にもならないのではないでしょうか。


 第1,定員を減らせば、必然的に教員の数、そして授業数の削減につながります。それは多様な教育の芽を摘む可能性があります。
 ここで、私が通ったUCLAは、法科大学院ができて30年しか歴史がなかったこともあり、他の学部に比べると、法科大学院の定員が小さく、やはり授業の中で、数年に1回しか開講されないものが多くあったことを思い出します。定員が少ない=少人数教育、という良い面だけではなく、授業の種類の削減となり、多様性ある教育ができなくなる可能性を孕むのです。


 第2,現実の問題は、合格難ではなく、「就職難」です。定員減は、これにはマイナスではないでしょうか。
 法科大学院卒業後の司法試験が難しいといっても、合格率30%であれば、かつての10倍以上。米国との比較でも、難しいときのカリフォルニア州司法試験の合格率とさして変わりません。そこは問題の本質ではないと思います。そして、「就職難」の中で、学生を見る評価ポイントの1つに、「どの大学を出ているか」が考慮されるのはやむを得ないところもあります。良いとされる大学の定員を削減してしまえば、合格しさえすれば「就職」ができる学生を、わざわざ削減することになりはしないか。「良くない」とされる法科大学院の延命は、学生にとって不幸です。


 結局のところ、管轄が文科省だから、なのでしょうか。


 このままでは、法曹に優秀な人材が送り込まれなくなります。結果として被害を被るのは、大して能力もないくせに、変にエリート意識満載で、多額の教育資金が使われた結果として貧しさも知らないまま法曹になってしまった本人と、その依頼者ではないでしょうか。


 そう言えば、近時、高校が公立上がりの司法試験合格者が減ったような気がします。