藤本大学~徒然なるままに(弁護士ぎーちのブログ)

ぎーち(弁護士藤本一郎:個人としては大阪弁護士会所属)のブログです。弁護士法人創知法律事務所(法人は、第二東京弁護士会所属)の代表社員です。東京・大阪・札幌にオフィスを持っています。また教育にも力を入れています。京都大学客員教授・同志社大学客員教授・神戸大学嘱託講師をやっています。英語・中国語・日本語が使えます。実は上場会社の役員とかもやっていますし、ビジネスロイヤーだと認識していますが、同時に、人権派でもあると思っています。要するに、熱い男のつもりです。

商号


 ここに、「上海ぎーち国際貿易株式会社」という法人があったとする。
 さて、その商号は、なにでしょうか??


 日本法的に言えば、「上海ぎーち国際貿易株式会社」であることは間違いない。商号とは、当該法人の正式名称を意味するからだ。みずほ銀行の商号なら、「株式会社みずほ銀行」が、我が事務所の商号なら、「弁護士法人淀屋橋・山上合同」である。


 じゃあ、中国法上はどうか。「上海ぎーち国際貿易株式会社」「株式会社みずほ銀行」「弁護士法人淀屋橋・山上合同」は、いずれも、「企業名称」ではあるが、一般に「商号」ではない。中国法上、「字号」とは、当該企業名称のうち、地理名称(上海)や業種名称(国際貿易、銀行)、組織形態(株式会社、弁護士法人)を除いた部分のことである。「ぎーち」「みずほ」「淀屋橋・山上合同」がそれに該当する。一般に「商号」とは「字号」のことを意味する。


 中国の「企業名称登記管理実施弁法」には以上のことが書かれているが、「字号」「企業名称」というタームが出てきても「商号」というタームは出てこない。世の中で「字号」と同義だと思われているだけである。つまり「商号」は正式な法律用語ではなく、従って「企業名称」と同義に使う人すらいる。


 いずれにせよ、中国法上「商号」というのは、ちょっと厄介だ。