死刑執行。
最近、中国で日本人が相次いで死刑執行されています。
私も、上海の法律事務所に行った際に、最初に受けた相談が、刑事事件でした。
被告人は、上海の空港で麻薬犯として捕まり、一審ではあれよあれよのうちに無期懲役を言い渡され、二審もすぐに出て確定したが、何とか争いたいというような手紙を受け取った方からの相談でした。
中国の場合、今回のように初犯であっても、麻薬犯で死刑になることも多く、もう少し軽い事案でも無期懲役となることが多いです。日本の「1・6・3」(初犯であれば、懲役1年6月、執行猶予3年以内)で終わるというのとは、雲底の差です。
もう1つ、通訳のレベルは期待できません。上記の相談の不満も、自分はやっていないと言ったのに、やったと訳された、荷物の中に麻薬が入っているとは知らなかったのに、知っていたことにされた、というものでした。どこまで本当だったかは分かりませんが、私は相当ショックを受けたのをよく覚えています。上海でも、そういう相談がある位でしたので、他の地域になれば、一層通訳の質に問題があると考えます。
また、裁判が2審制で、しかも早いスピードで進むことも理解しないといけません。日本のように、争えば時間が稼げる、というものではありません。
いずれにせよ、外国での刑事裁判は、わからないことだらけで、不安で、辛いものです。郷に入らば・・・とも言いますが、他国の制度を正しく理解して、できるだけそのような紛争に巻き込まれないような生活をすることが大事だと思います。