藤本大学~徒然なるままに(弁護士ぎーちのブログ)

ぎーち(弁護士藤本一郎:個人としては大阪弁護士会所属)のブログです。弁護士法人創知法律事務所(法人は、第二東京弁護士会所属)の代表社員です。東京・大阪・札幌にオフィスを持っています。また教育にも力を入れています。京都大学客員教授・同志社大学客員教授・神戸大学嘱託講師をやっています。英語・中国語・日本語が使えます。実は上場会社の役員とかもやっていますし、ビジネスロイヤーだと認識していますが、同時に、人権派でもあると思っています。要するに、熱い男のつもりです。

ボ2ネタ管理人、吠える

ボ2ネタ 2010年4月15日付
http://d.hatena.ne.jp/bo2neta/20100415

年3000人合格堅持を求める意見>コメント欄参照 http://ameblo.jp/fben/entry-10479368615.html

週刊法律新聞2010/3/2号参照

その趣旨は世界の法市場における日本の勢力の弱さを補う必要があるというようなこともあるようです。

フーン。ソンナ理由ガアッタンダ。

けど,日本法の教育をいくらしても,グローバルスタンダードで通用しませんよね。そういうことはアメリカのロースクールで学ばないと仕方ないし,それで足りるのでは?日本のロースクールでそれを補うのはどだい無理でしょう。

ロースクールカリキュラム再編、例えば、国内訴訟担当者の養成を想定した現行の司法修習制度の維持を含めた再検討」

ぜっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっったいにありえない。そのツケは誰が払うんだよ。司法修習を舐めんじゃねぇ!


 ボ2ネタの管理人さん、珍しく?吠えてますねえ・・・。
 しかし、違和感を感じるのは私だけではないでしょう。
 以下、だらだらと。


 第1。アメリカのロースクールに、短い期間とはいえ居たものとして、それほどグローバルスタンダードな授業をしているとは思いません。但し、これだけは言えます。余裕があるから、グローバルスタンダードな人も誕生する余地が大きい、と。


 エクスターン。日本では2週間が限度だけど、あっちでは半年とかいますよね。
 授業ではやらなくても、学生が必要に応じた自由な勉強ができます。


 更に、他国からローに留学生が来る。
 アメリカ人、特に白人が、それほどグローバルな人だとは思いませんが、色々な国の人がわざわざアメリカのことを学んで帰ってくれる。そして色々な国の人が、わざわざニューヨーク州弁護士の資格を取って帰ってくれる。


 日本人の多くが、国内業務しかできないとしても、資格を持つ人の対象が留学生など多国籍に増えれば、相当日本の法曹を取りまく状況は改善します。


 渉外弁護士は、必ずしも全部やらなくて良いんです。つなぎ役です。良い他国の弁護士を知っていることで仕事ができるんです。そういうつながりを持てるような法科大学院にすれば良いんです。でも、外国人が日本の司法試験におよそ受からないなら、そんなことはできません。つまり、日本の司法試験は、外国人に受かるような制度にしなきゃいけない。そうするには、合格者を大幅に増やすしかないのです。


 第2。はっきり言って、語学が苦手な私でも、こうやって、下手な英語と中国語で、渉外業務ができるんです。
 足りないのは、日本の弁護士の語学能力じゃない。
 足りないのは、日本の法曹の野心であり、夢であり、ハングリーさだと思う。


 無理じゃない。諦めるのは早すぎると思います。


 今日も依頼者と話をしましたが、依頼者は、日本の弁護士が英米法やアジア法に精通していれば、頼みたいと思っているんです。でも、精通していないから、他国の弁護士に行くんです。又は、私のように、決して能力はないが、できると言ってくれる弁護士のところに来ます。


 日本の「渉外事務所」が流行っていないという話もあります。だから法曹人口増に対応できない、と。でもそれは、主として、日本国内法業務をやっているからではないでしょうか。また、不必要に、DD等で使えない若手弁護士を大量動員し、少しずつ敬遠されているからではないでしょうか。まだまだ、リーズナブルな価格で対応すれば、いくらでも需要があると思います。


 あんまり整理して書いてませんが、司法修習は司法修習として、日本の国内訴訟を勉強する場として大事だと、思います。中国みたいに、自分で研修先を見つけないといけない、とせず、国家が研修場所を保証してくれるのは有り難いことです。確かにいますぐ、年間1万人の修習を受け入れる余地はないでしょう。しかし2000人以上の受け入れが2年連続でできたんです。法曹人口も増えています。旧試験ももう終わりです。3000人程度であれば、きついけど、十分可能です。