弁護士が資格を失う時


 一言で言えば「他山之石可以攻玉」です。


 私は昨日、京都大学の先生方(まあ、一応私も京都大学の先生ではあるのですが・・・客員准教授ですけど。)と、ココ↓でお食事をしました。

http://www.madoi-co.com/food/la-tour/


 私は、正直お酒が飲みたかったのですが、その後の予定(食事の後にも更に1件あったんです・・・ぐすん)も考慮して、「サイファーナイル」を飲みました。


 サイファーナイル???

 ええ、京都大学オリジナル「ノンアルコール」ビールです。
 これ↓。

http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news7/2010/100630_3.htm



 さて、まさに同じ頃、同じ弁護士がお酒について悩んだんでしょうが、大きな過ちを犯してしまいました。


産経新聞電子版2010年8月18日付
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100818/crm1008182005028-n1.htm

 酒を飲んで乗用車を運転し、タクシーと衝突事故を起こして逃げたとして、警視庁世田谷署が自動車運転過失傷害と道交法違反(酒気帯び運転、救護義務違反など)の疑いで、東京弁護士会所属の鈴木亮平容疑者(30)=横浜市磯子区=を逮捕していたことが18日、同署への取材で分かった。「弁護士資格を失うのが怖くなって逃げた」と容疑を認めているという。

・・・

 鈴木容疑者は自宅近くで知人と酒を飲み、いったん帰宅したが、都内の別の知人に会うため乗用車を運転していたという。事故の約5時間後、知り合いの検事に付き添われて神奈川県警山手署に出頭した。


 ところで、鈴木弁護士は、逃げなかったら弁護士資格を失ったのでしょうか。


 弁護士法には、欠格事由について次のような定めがあります。


第7条
次に掲げる者は、第四条、第五条及び前条の規定にかかわらず、弁護士となる資格を有しない。
一 禁錮以上の刑に処せられた者
二 弾劾裁判所の罷免の裁判を受けた者
三 懲戒の処分により、弁護士若しくは外国法事務弁護士であつて除名され、弁理士であつて業務を禁止され、公認会計士であつて登録を抹消され、税理士であつて業務を禁止され、又は公務員であつて免職され、その処分を受けた日から三年を経過しない者
四 成年被後見人又は被保佐人
五 破産者であつて復権を得ない者


 なるほど、禁固刑を受けると資格がないわけですね。除名されて3年以内もダメですね。ただ、逃げなかった場合は、前科前歴のない交通事故で、怪我が重くない場合に実刑にはならないように思いますが・・・。


 しかしこれは、登録を受けようとする「弁護士となる者の資格」の欠格事由であって、既に登録を得た者について、直接適用を受ける訳ではないですよね。既に登録を得た者については、「除名」されるか否かが問題となります。


 弁護士法第56条第1項は、「弁護士及び弁護士法人は、この法律又は所属弁護士会若しくは日本弁護士連合会の会則に違反し、所属弁護士会の秩序又は信用を害し、その他職務の内外を問わずその品位を失うべき非行があつたときは、懲戒を受ける。」と定めます。実は懲戒事由についての法律上の定めはこれだけです。


 会則にも、どういう場合に除名になるのか、明確な定めはありません。ただ決まっているのは、手続面、つまり、懲戒委員会が審査して、除名、退会命令、業務停止(2年まで)、戒告の懲戒を行うということだけです。つまり、その基準は、いわば過去の懲戒事例の積み重ねしかない訳です。
 

 ご参考までに↓
http://www.nichibenren.or.jp/ja/publication/booklet/data/nichibenren_pam10.pdf


 従って、彼が逃げなかった場合に除名になったのか、逃げてしまった今でも除名になるのかははっきりしないのですが、感覚的には、逃げなかった場合は、せいぜい業務停止数ヶ月だったのではないのかなあ・・・という気がするんですけどね。。。


 私も、資格がなくなると確かに大変ですので、お酒と運転、そして善悪の判断について、特に気をつけたいと思います。。。