民主党の支持層と実態の乖離
僕は、正直に言って民主党という政党を良く知らない。
党内に、一緒に飲みに行った国会議員さんや、ゼミの先輩の国会議員さんや、高校の先輩の浪人中の元議員さんやら、いる。ただ、全体は良く分からない。決して、今の民主党を支持している訳ではない。特に、原発事故に伴う食の安全や広域処理については、自民党ではなく民主党が与党であったのに、こんな対応しかしなかったことについて、大いに失望している。
でも1つ思うことがある。民主党に対するコアな支持層は、基本的に「センターレフト」だと言うこと。参議院比例区で、民主党の当選者上位は、労組系の候補者が占めた。これもその証拠の1つ。
ところが、今の民主党の執行部は、どちらかというと「センターライト」を志向しているように見えるということ。海江田さんも、細野さんも、労組出身じゃないもんね。
確かにウイングを広げるのは大事だ。戦える野党、政権交代を担える勢力になるのも大事だ。センターライトを取り込まなければ、政権の再奪取はないだろう。でも、いま、党勢を回復するには、コアな支持層の周辺から少しずつ「取り戻す」ことが大事なんじゃないだろうか。
いま、既に党を去った鳩山氏や、直前で公認取消をやらかした候補を応援した菅氏に対し処分をすると言う。しかし、彼らは、人気もなくなってきたとはいえ、どちらかと言えば、本来の民主党のコアな支持層に支えられてきた、コアな支持層が嫌わない、党の顔だ。これ以上、コアな支持層を痛めつけ、党内の論理に拘ることに、どれだけのメリットがあるのだろう。単に、そういった方に「やっぱり共産党かな」「みんなの党の方が良い」と思わせるだけな気がしてならない。
国民が民主党に期待していることは、民主党そのものの再生ではない。勿論、それが可能であれば、それを期待する人もいるだろう。しかし、多くの選挙で辛い思いをした人からすれば、自民党に代わる選択肢を用意すること、これを期待しているのだ。それは、何も、民主党という名前ではなくても構わない。党内の足きりを期待しているのではなく、いかに対抗勢力を作り上げていくか、皆それを期待している。
菅氏や鳩山氏の処分をするヒマがあったら、渡辺さんでも、江田さんでも、橋下さんでも良い、彼らだって対抗勢力の構築を望んでいるのだから、その話をつけてきて欲しい。まあ、橋下さんとは、憲法や国家論で一致をみないだろうが、しかし、橋下さんは現実主義者だ。意外と、それでうまくいくと思えば、豹変する可能性はある。
民主党という政党内部の論理に、いまの民主党執行部が縛られている気がしてならない。そして、それは民主党を支持する方の望む方向とは逆方向に行こうとしている気がしてならない。大事な時間を、内向きな、間違った議論に使わないで欲しい。