京大学長選挙、風前の灯火!


 いま、京大の動揺が最大の局面を迎えている。私も、京大卒かつ現在も京都大学の複数の部署に関与する人間として、いま強い憤りを抱いている。

 京大職組の情報によれば、今年のクリスマス(12月25日)に開催される総長選考会議で、総長選における学内教職員による意向投票を今後廃止し、総長選考会議のみの議決によって京都大学総長を選出すること及び総長の任期を現在の6年からさらに延長するという議題が採決されようとしている、とのことである。


 京都大学の総長は、現在の「国立大学法人京都大学の組織に関する規程」第2条によれば、京都大学を代表し、任期は6年で、原則として再任はない。
 
 また、現行の「国立大学法人京都大学総長選考規程」によれば、総長は、「総長選考会議」により選出されることになっているものの、その第5条では、「学内の意向を調査するため、第一次総長候補者について、投票資格を有する者に単記による投票(以下「学内意向投票」という。)を行わせる。」となっており、そして、同12条では「学内意向投票の投票結果を基礎に、総長候補者を選考する。」と規定されている。


 従って、事実上、学内意向投票の結果を踏まえて、選出されるし、任期6年・再任なしと相俟って、京都大学を恣意的に総長が長期間、継続支配することは、想定されていない。自由の学風の源である京都大学に、そのような事態を想定すること自体あり得ないことであった。実際、過去100年以上にわたり、京都大学では総長選挙が実施され、その結果は尊重されてきた。


 総長選挙が廃止されてしまえば、総長選考会議(12名の委員で構成)のみで総長が選出できることになり、学内の意向を汲む必要がなくなる。

 この総長選考会議のルールは、総長選考会議で規程することができるので、確かに12月25日の会議のみで変更することが可能だ。他方、任期や再任については、上述の「・・組織に関する規程」で定まっており、こちらは、役員会(総長・理事で構成)で改正されることになるため、12月25日の総長選考会議のみで改正することはできない筈であるが、そもそも役員会は総長が支配しているのであるから、総長選考会議さえ通ってしまえば、実現される可能性が十分ある。


 そもそも、現在の松本総長は2008年に選出されており、現行規程に基づけば、来年2014年に総長選挙が行われ、松本総長は勇退することが前提で全てが動いていた筈である。選挙直前のいま、急遽、十分な議論なく、総長選考会議で総長選挙が廃止されるというのは、今までの学内自治の死滅であり、また、松本総長が再任を目指すか否か別として、そのようなきな臭い動きに等しい。

 仮にこのような改正を行うのであれば、総長選挙で松本総長ではない第三者が、かかる政策を堂々と主張して、支持を得てから、6年後に再度登場を目指すか、又は、松本総長が選出された2008年に主張すべきものだった筈だ。


 現在、反対の署名運動がネットでも展開されているが、そこでも述べられているように「もしこのようなことが決定されるならばわたくしたちがその胸に抱いているような京都大学はその後はもはや存在しなくなるだろう。京都大学自治、民主主義のないところに京都大学の自主性すなわち創造力の源泉は存在しなくなるだろう。」

 
 もともと松本総長は、2008年就任時に次の様な抱負を述べていた。
「自由の学風、自学自修など京大の伝統を守りつつ、革新と創造で元気の出せる大学にしたい」(ソース


 この暴挙は、仮に京大職組の情報が事実だとすれば、京都大学の破壊に他ならない。ご自身の胸に手を当てて、これが「自由の学風、自学自修など京大の伝統」を守る、元気の出る施策なのか、ご説明頂きたいものだ。卒業生として、また関係者として非常に恥ずかしい。直ちに辞任するに値する。