藤本大学~徒然なるままに(弁護士ぎーちのブログ)

ぎーち(弁護士藤本一郎:個人としては大阪弁護士会所属)のブログです。弁護士法人創知法律事務所(法人は、第二東京弁護士会所属)の代表社員です。東京・大阪・札幌にオフィスを持っています。また教育にも力を入れています。京都大学客員教授・同志社大学客員教授・神戸大学嘱託講師をやっています。英語・中国語・日本語が使えます。実は上場会社の役員とかもやっていますし、ビジネスロイヤーだと認識していますが、同時に、人権派でもあると思っています。要するに、熱い男のつもりです。

2ちゃんねる閉鎖


 2ちゃんねるドメインを差押にかかっている?方がいるそうですね。えらい祭りになっているようです。


 2ちゃんねるドメイン2ch.netなので、その管理は日本の団体ではなく、ICANNという米国カリフォルニア州PPBとする団体によって行われている訳です。


 で、ドメイン権は結局債権になるのだと思うのですが、債務者ひろゆき氏が所在する東京地裁に債権差押の申立を行った訳ですが、送達ができますかねえ。所在するのは、第三債務者であるICANNがある米国カリフォルニアということになりますが。。。まあ、日米ともに送達条約*1には入っていますので、できることはできるでしょうが。


 送達できたとすれば、差押の効果は生じます(いずれにしても時間は数ヶ月かかると思います)が、次にどう換価するのでしょうかねえ。。。


 勿論、ICANNは独自の紛争処理手続を定めており、ドメインの取得者は、取得時にこのルールに従うことに同意することをもって、その利用権を付与されています。そして、このUniform Domain Name Dispute Resolution Policy(UDRP)によれば、裁判所が具体的にドメインの移転や取消を命じる場合であれば、その確定判決を証拠として、このUDRPの仲裁手続によってドメインの移転・取消を行うことが可能です。その場合は、ICANNが日本の裁判所の判決に従う限りにおいて、米国の執行手続きが不要となります。

 しかし今回の債権者は、具体的にドメインを移転せよという確定判決を日本の裁判所で貰っている訳ではありませんので、こういった手法は不可能ですね。


 さあ、今後どうなるのでしょうか。

*1:Convention of 15 November 1965 on the Service Abroad of Judicial and Extrajudicial Documents in Civil or Commercial Matters