藤本大学~徒然なるままに(弁護士ぎーちのブログ)

ぎーち(弁護士藤本一郎:個人としては大阪弁護士会所属)のブログです。弁護士法人創知法律事務所(法人は、第二東京弁護士会所属)の代表社員です。東京・大阪・札幌にオフィスを持っています。また教育にも力を入れています。京都大学客員教授・同志社大学客員教授・神戸大学嘱託講師をやっています。英語・中国語・日本語が使えます。実は上場会社の役員とかもやっていますし、ビジネスロイヤーだと認識していますが、同時に、人権派でもあると思っています。要するに、熱い男のつもりです。

ホリエモン実刑(懲役2年6月)

被告人身分(当時)証取法違反の内容会社の結末罪の重さ
ホリエモンLD社長53億円分の粉飾子会社売却も本体は引き続き財務上は健全(国費が投じられることはなし)懲役2年6月
帆足隆カネボウ社長800億円の粉飾会社の実質破綻(巨額の国費を投じて再建)懲役2年執行猶予3年

 なぜこんなに差がつく??自白したか、否認したかの差があるとはいえ。
 否認している態度を一要素として考慮することは、可能だが、あくまで一要素。否認していることをもって、執行猶予を実刑に変えてはいけないと思う。

 他の近時の事案では、西武鉄道の事件でも証取法違反で刑事事件になったが、あれは持ち株比率についての虚偽表示事案で単純には比較できないものの、インサイダー取引により200億円以上の利益を上げていた事案であった。それでも、懲役2年6月罰金500万、懲役刑は執行猶予4年だった。


 なぜホリエモンだけを実刑にする必要があった??


 日興の時の東証の判断でも思ったが、「古き良き」が尊ばれ、「新しき」が軽んじられるのであれば、国が滅びる。どちらも公平に判断されるべきだ。

 「量刑相場」というものは、公平のためには必要。相場を逸脱した判断は、裁判の尊厳を損なう。