藤本大学~徒然なるままに(弁護士ぎーちのブログ)

ぎーち(弁護士藤本一郎:個人としては大阪弁護士会所属)のブログです。弁護士法人創知法律事務所(法人は、第二東京弁護士会所属)の代表社員です。東京・大阪・札幌にオフィスを持っています。また教育にも力を入れています。京都大学客員教授・同志社大学客員教授・神戸大学嘱託講師をやっています。英語・中国語・日本語が使えます。実は上場会社の役員とかもやっていますし、ビジネスロイヤーだと認識していますが、同時に、人権派でもあると思っています。要するに、熱い男のつもりです。

日本企業の中国進出は意味があるのか


 上海にいる間に自分なりの結論を出したいテーマの1つが、これです。
 日本企業の中国進出って、本当に意味があるんでしょうかねえ。


 例えば、上海の大卒の学生は、けっこうすぐ会社を辞めます。
 今日聞いた話では、平均2年だそうです。周囲の話を総合しても、だいたいそんなものかと思います。人材を0から徐々に育てるというスタイルは、通用しづらいです。


 例えば、一般に上海の若い人の間では、待遇:欧米系企業>日本企業>中国企業、昇進:欧米系企業≒中国企業>日本企業、というイメージがあるので、日本企業に優秀な人材が集まりにくいという問題もあります。集まっても、上述のような、企業に対する忠誠心がないので、欧米系企業に誘われたらすぐに辞めます。また、以前にもここで紹介しましたが、基本的に独立心旺盛なので、「自分でやった方が儲かる」と思われてしまったら独立されてしまいます。残るのは、そういう転職ができない人か、よほどの日本好きな方。


 例えば、日本企業は本当に沢山の駐在員がいらっしゃって、聞くところでは駐在員の住居費は全て会社持ちだとか。会社にもよりますが、1ヶ月1万元(16万円)とか、1万5000元(24万円)くらいまでだったら、会社が全額負担してくれるようです。羨ましい〜というのではなく、それだけ人件費をかかる日本人駐在員が沢山いる中で、待遇が悪く昇進も余りない中国人従業員が、一体何を考えるのか、考えてみると、恐ろしい気もします。


 もはや、コスト面では中国、特に上海は日本と大差がなくなってきています。
 市場としての価値があるでしょうが、様々なリスクがある中国という場所、果たして、本当に日本企業にとって進出の価値があるのでしょうか。中国人に正当に評価されるようになるのでしょうか。


 中国って難しいなあ、と思います。