英テロ未遂に思う
英国のテロ未遂事件が明らかになったのは、日本時間の10日でした。
あれから1週間経ちますが、依然米英でのテロ警戒レベルは高いまま。私は「お茶」のペットボトルを機内に持ち込んで再渡米することができなさそうです。
ところで、このテロ未遂事件は、どこまで具体的な事件だったのでしょうか。
「共謀罪」の創設が日本でも今年前半話題となりましたが、いわゆる通常の刑事犯における「着手」はなかった訳です。液体が実際に手荷物として持ち込まれた訳ではないし、ただ、そういう計画が存在し、飛行機のチケットを持っている奴がいたというだけのようです。
そうだとすれば、政治が好きなように事件を「でっちあげる」ことができるのではないか。それが、日本の「共謀罪」の反対派が主張する1つの反対論拠です。そして、テロは確かに許される訳ではないけれども、確かにこの時期に、テロ未遂って、出来すぎている気がします。例えば米国では中間選挙がまもなくです。ブッシュは、支持率が低くなればいつも外国で何かが起こって恢復するんですよねえ。なんとも都合の良い「テロ未遂」な気がしてなりません。また、米国が支持するイスラエルがレバノン問題で国際的批判を浴び続けている時でした。どこかで事態収集を図るには、このレバノン問題をうやむやにするのが一番です。また、英国BBCのニュースによれば、拘束された24人のうち、少なくとも1人が起訴されることなく釈放されたとのこと。その1人は、これからどういう人生を歩むのでしょうか。たった1人のその人生についても、「テロ疑惑があったからどうなっても良い」で片づけてはいけないように思います。
米国にいて、日本の「精緻司法」は、日本の交通機関の「精緻運行」同様、誇るものがあると思いました。確かにそれでも間違いはある。しかし、そのレベルが全然違います。「共謀罪」という大味でざっくりした法制度を導入することは、やはり慎重であるべきではないか。今回の事件と米国生活を通じて、そんなことを強く思う次第です。