藤本大学~徒然なるままに(弁護士ぎーちのブログ)

ぎーち(弁護士藤本一郎:個人としては大阪弁護士会所属)のブログです。弁護士法人創知法律事務所(法人は、第二東京弁護士会所属)の代表社員です。東京・大阪・札幌にオフィスを持っています。また教育にも力を入れています。京都大学客員教授・同志社大学客員教授・神戸大学嘱託講師をやっています。英語・中国語・日本語が使えます。実は上場会社の役員とかもやっていますし、ビジネスロイヤーだと認識していますが、同時に、人権派でもあると思っています。要するに、熱い男のつもりです。

医者と弁護士


 専門職の代表のような医者と弁護士ですが、正直私は、お医者様にお会いするのは怖いです。


 私は医療過誤事件の専門家、ではありませんが、事務所が大量に医療過誤事件(主に医者側ですが、主に病院側を担当する弁護士以外は被害者側をやることもあります)を抱えていることもあって、医療過誤事件に若干携わったことがあります。その他、医療過誤ではないんですが、交通事故の被害者側をやったりすると、お医者様に御意見を伺う必要が生じることは多いのです。


 ですが、お医者様に聞きに行くと、とても素人に分かりやすく教えて下さる、ないし、立証活動に協力しようという感覚でお応え頂くことは、まずありません。勿論、弁護士が来た⇒医療過誤として自分の責任が追及される恐れがある、として警戒することは、分かります。ただ、交通事故の時などは、医療過誤なんて全く論点になっていない訳で、その方の客観的な御意見を頂戴したいだけで来ている訳ですけどねえ。医療過誤の場合も、こちらが被害者側の場合は、聞かれる医師≠過誤したと争われる医師、な訳で、その方がなんて言っても、その方は医療過誤にはなりはしない訳ですが・・・・。


 結局、私が思っているのとはだいぶずれた会話のやりとりとなり、ちょっとお医者様が親切にしてくれさえすれば得られたであろう価値は、得られずに帰ってしまうことが多いです。


 医者から見て弁護士がどうなのかは分かりません(私がフランクな弁護士なだけで、そうじゃない弁護士もいるように思いますし)が、いち弁護士から見て、日本のお医者様は、「高いところにいるなあ」というのが率直な感想です。


 日本の民事訴訟は、伝聞証拠が許されますので、そのお医者様が、素人に分かる説得力ある意見書を「さくっと」書いて下されば、案外簡単に訴訟が終わる(それに基づき裁判所が和解案を作成して下さることが多い)んですけどねえ。。。そうしたら、全て丸くおさまるんですけどねえ。。。


 アメリカでお医者様にかかると、かなーり高い報酬を請求されますが、他方で、お医者様がフランクで非常に分かりやすい具体的な説明をして下さることには、いつも感心させられます。また、質問したら、それについて、納得いくまで説明して下さるし、結構簡単に文書を出してくれたりします。こういうところが、アメリカで、これだけ高い報酬を医師が得ながらも、「尊敬される職業」に医師がなお上位にいられる理由の1つかもしれません。ちなみにアメリカで弁護士はかなり下位です。