特別な一週間
この1週間は色々な意味で特別な一週間であったが、お陰で、中国を少し理解することもできた気がする。
まず、この1週間は、私が短期滞在している北京語言大学の外部評価がなされる週だったのだが、普段とのギャップがものすごくて、本当に驚いた。
教師が、「この1週間は絶対に遅刻するな、遅刻する位なら来なくていい」「キャミソールはダメ」「サンダルはダメ」と言い、
普段、相互学習や部屋の賃貸の情報掲示等に使われている掲示板が、いきなり真っ赤な国家の標語みたいなものを掲げた内容に様変わりしたり(しかもその掲示板の周囲が微妙に立ち入り禁止に)、
いつもは誰もいない十字路にこの一週間だけ、交通整備兼警備をする警備員が立ってみたり(ちなみに上にはやはり真っ赤な垂れ幕が・・・もう撤去されたけど)、
外部評価員が滞在する大学直営ホテルのようなところでは、突然服務員の人数が倍くらいになった上で、服装が上等になったり・・・
・・・まあ、とにかく一気に変わった。中国人の権威に弱いところがよく分かったが、こんな姿を毎度毎度見ている中国人の若い学生が、どう育つのかを考えると、ちょっと恐ろしい。
権威主義的な側面だけではなく、なんというか、どこまでも商魂たくましい姿も見た。
実は昨日金曜日は、我々の班(クラス)のちょっとした晩会があったのだが、大学内のある広場のようなところで実施した。宴が進むと、何故か、呼んでもいない中国人が、2〜3メートルだけ離れて、立っている。
なにをしているのだろう・・・。
聞いても、何でもないと答える。
一瞬、大学の関係者が我々を通報しようとしているのか、とも思えた。
まあ、気持ち悪かったが、害はなさそうな女性だったので、ちょっと存在を忘れて話していると、ビールの空き瓶をのぞき始めた・・・。そう、この人の目的は、外国人が集まってきた時に間違いなく発生するであろう、ビールの空き瓶の回収なのである。ゴミ箱に捨てられてしまう前に、確実に回収しようと狙っているのだ。我々が3桁を超えるビールを消費しようとしていることを思い出す。
晩会の間、ビールがある程度空く毎に、テーブルまで近づいてきて、空き瓶を持ってまた3メートル離れる・・・ということを繰り返し、午後11時頃までに消費されたビールの空き瓶70本を全部持って行っていかれた(さすがにそれ以後はつきあえないと思ったようだ)。その間、彼女は、何かをするわけでもなく、ただただ我々がビールを飲むのをじいっと待っていたのである。
そこに商売のチャンスがあれば、ちょっと奇怪だろうが何だろうが、がぶりつく。それが中国、か。