藤本大学~徒然なるままに(弁護士ぎーちのブログ)

ぎーち(弁護士藤本一郎:個人としては大阪弁護士会所属)のブログです。弁護士法人創知法律事務所(法人は、第二東京弁護士会所属)の代表社員です。東京・大阪・札幌にオフィスを持っています。また教育にも力を入れています。京都大学客員教授・同志社大学客員教授・神戸大学嘱託講師をやっています。英語・中国語・日本語が使えます。実は上場会社の役員とかもやっていますし、ビジネスロイヤーだと認識していますが、同時に、人権派でもあると思っています。要するに、熱い男のつもりです。

"Do not practice law in New York"


 日本の大阪弁護士会での「特定公益活動」の問題について、だいぶ色々と書いてきました。
 http://d.hatena.ne.jp/attorney-at-law/20070512/1178931913

 今日は、私が所属するもう1つの弁護士団体である、ニューヨーク州の状況について、少し書いてみたいと思います。

 特に「公益活動」の義務というのはない(但し、一定時間を公益活動に使えという推奨、はある)のですが、「研修」については、結構しっかりしたプログラムがあります。

 詳細はこちら。
 http://www.nysba.org/Content/NavigationMenu/CLE/Mandatory_CLE/New_York_Requirements.htm

 英文なのでかいつまむと、要するに2年間で、最初の2年間は32単位、その次からは24単位のContinuing Legal Education("CLE")を受けなければいけない、って制度で、うち一定単位数は、プロボノ活動(公益活動)に関する単位でなければならない、等々が決まっています。

 ちなみに、このCLE Creditは、弁護士会が実施する研修でしか取れないのではなく、一定の要件を満たす講演・授業等で取得できます。私も詳細は良く知らないのですが、日本でも、テンプル大学などでCLE Creditを取得することができるそうです。普通に一般の弁護士事務所が開催する講演レベルでも、この単位を取得できることもあります(そういえば、MHMの友達が出向先のLAでやった講演がこの要件を充足していたなあ)。


 ニューヨーク州弁護士の中で、私のように州外や米国外に居住する者も多数存在するからか、このような研修についても、除外規定が設けられており、その最大の除外事由が、タイトルにもあげました、"attorneys who do not practice law in New York"です(22 New York Codes, Rule, and Regulations ("NYCRR") § 1500.5(b)(1))。ちなみに詳しくはこちら

 要するに、ニューヨーク州内で実務をしないことは勿論ですが、資格更新までの2年の間、州外も含め、一切ニューヨーク州法に携わらないことがこの免除の要件です。


 ちなみに、免除を受けるのに、申請は必要ありません。次の資格更新のときに、CLEの要件をどのように充足したのか、というのを回答する欄がありまして、そこに、免除要件に該当したからCLE Creditを取得しなかった、という選択肢を選べばいいだけです。勿論、この点に疑義が生じれば、本当に免除要件を充足したのか、後日審査されることになります。


 形式的なことなのですが、CLE Creditを実際に研修受講して加算するには、ID Number(会員番号とは別の番号)が必要なようなので、IDを作ってみて下さい。ちなみに、作る場合、申請と受領は本人が直接出頭する必要があります。


 大阪弁護士会のこともあったので、併せてニューヨーク州弁護士の研修制度もだいぶ調べたつもりですが、なんかおかしなことを書いていたら、教えて下さい。