藤本大学~徒然なるままに(弁護士ぎーちのブログ)

ぎーち(弁護士藤本一郎:個人としては大阪弁護士会所属)のブログです。弁護士法人創知法律事務所(法人は、第二東京弁護士会所属)の代表社員です。東京・大阪・札幌にオフィスを持っています。また教育にも力を入れています。京都大学客員教授・同志社大学客員教授・神戸大学嘱託講師をやっています。英語・中国語・日本語が使えます。実は上場会社の役員とかもやっていますし、ビジネスロイヤーだと認識していますが、同時に、人権派でもあると思っています。要するに、熱い男のつもりです。

投げ出さないで!


 物事は、最後まで諦めずに全力を尽くして取り組む。
 これは基本的な姿勢である。


 私は、実は訴訟事件では敗訴事件がそれなりにある(何をもって敗訴というかは難しいが。別に半分とか3割もある訳ではない)。
 何故かといえば、勝てないという理由だけでは受任を拒絶しないからだ(勝つべき事件を落としたことはないと思う)。


 依頼者には、勝訴の見込みが薄いことは伝える。お勧めもしない。
 やる場合とやらない場合の比較はお伝えする。それでもやるかどうか。


 話し合いの結果、やると決めたら、しっかりやる。
 依頼者が納得するだけの活動は行う。投げだしはしない。
 結果的に、厳しくて勝つこともあるし、和解で終わることもあるし、やはり負けることもある。
 しかし、投げ出さないということは、当たり前かもしれないが、大事だと思っている。


 この、当たり前だと思ってきた「投げ出さない」ということが、政治の世界では当たり前ではなくなってきたようだ。


 勿論、このタイミングで辞めれば、民主党の党首選挙のニュースを減少させ、自民党の党首選挙による「えせ政権交代」で支持率を回復し、国会運営へのダメージも小さい、という計算をしたこと自体は、分からないでもない。しかし、一旦首相を引き受けた以上、選挙で負けて散るならまだしも、こうやって毎年秋に政権を投げ出す姿を、若い人に見せつけてはいけない。


 一度真剣に取り組むと決めたことは、投げ出さないこと。
 政治の世界であっても、他の世界であっても、原則あるべき姿だと信じたい。