投げ出さないで!
物事は、最後まで諦めずに全力を尽くして取り組む。
これは基本的な姿勢である。
私は、実は訴訟事件では敗訴事件がそれなりにある(何をもって敗訴というかは難しいが。別に半分とか3割もある訳ではない)。
何故かといえば、勝てないという理由だけでは受任を拒絶しないからだ(勝つべき事件を落としたことはないと思う)。
依頼者には、勝訴の見込みが薄いことは伝える。お勧めもしない。
やる場合とやらない場合の比較はお伝えする。それでもやるかどうか。
話し合いの結果、やると決めたら、しっかりやる。
依頼者が納得するだけの活動は行う。投げだしはしない。
結果的に、厳しくて勝つこともあるし、和解で終わることもあるし、やはり負けることもある。
しかし、投げ出さないということは、当たり前かもしれないが、大事だと思っている。
この、当たり前だと思ってきた「投げ出さない」ということが、政治の世界では当たり前ではなくなってきたようだ。
勿論、このタイミングで辞めれば、民主党の党首選挙のニュースを減少させ、自民党の党首選挙による「えせ政権交代」で支持率を回復し、国会運営へのダメージも小さい、という計算をしたこと自体は、分からないでもない。しかし、一旦首相を引き受けた以上、選挙で負けて散るならまだしも、こうやって毎年秋に政権を投げ出す姿を、若い人に見せつけてはいけない。
一度真剣に取り組むと決めたことは、投げ出さないこと。
政治の世界であっても、他の世界であっても、原則あるべき姿だと信じたい。