藤本大学~徒然なるままに(弁護士ぎーちのブログ)

ぎーち(弁護士藤本一郎:個人としては大阪弁護士会所属)のブログです。弁護士法人創知法律事務所(法人は、第二東京弁護士会所属)の代表社員です。東京・大阪・札幌にオフィスを持っています。また教育にも力を入れています。京都大学客員教授・同志社大学客員教授・神戸大学嘱託講師をやっています。英語・中国語・日本語が使えます。実は上場会社の役員とかもやっていますし、ビジネスロイヤーだと認識していますが、同時に、人権派でもあると思っています。要するに、熱い男のつもりです。

みんな仲良く定員減?


日経新聞電子版12月6日付
法科大学院の9割が定員削減へ 19校が10年度から、49校検討中』
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081205STXKF070105122008.html


 要するに、6校以外はみな定員削減を検討しているという記事で、他方、統廃合はどの学校も検討していない、つまり、「みんな仲良く定員減」して、「共存共栄」しようとしていることが伺えます。


 しかし、世界で戦える優秀な人材を育て上げるという見地からみて、それが正しいこととは思えません。確かに、地域性を考慮して小規模なロースクールというのもあって良いけれども、規模が小さくなれば、設けることができる講座数などにも限りが出るのだから、それなりに実績があるロースクールは、それなりに定員を維持すべきという結論になる筈ですし、ダメなロースクールは、早々に統廃合を検討することが、日本の法曹、日本の国民のためになると思います。


 ロースクールは、日本の法曹実務家を養成する専門大学院です。
 日本の法曹実務家の人数が増えても、質を下げず、むしろ上げていくことがその使命です。
 その使命に反する痛み分けの「共存共栄」は、結果として、日本の法曹実務家の質を下げることになりはしないか。それが人材供給の減少と相俟って、ロースクールの死滅化をより加速しやしないか、非常に心配です。