藤本大学~徒然なるままに(弁護士ぎーちのブログ)

ぎーち(弁護士藤本一郎:個人としては大阪弁護士会所属)のブログです。弁護士法人創知法律事務所(法人は、第二東京弁護士会所属)の代表社員です。東京・大阪・札幌にオフィスを持っています。また教育にも力を入れています。京都大学客員教授・同志社大学客員教授・神戸大学嘱託講師をやっています。英語・中国語・日本語が使えます。実は上場会社の役員とかもやっていますし、ビジネスロイヤーだと認識していますが、同時に、人権派でもあると思っています。要するに、熱い男のつもりです。

880万円使いますか?


 大阪弁護士会
 私が知る限り、世界で最も「スタイリッシュ」な弁護士会館を擁する会である。


 この新会館を建てるべきか、否かについては、色々議論があったし、私も新広島市民球場が建つくらいのお金(但し、球場は建設費のみ。新会館はもともと検察庁があったところに作ったので、用地買収代金を含む金額)を使って建てるべきとは全く思わなかったが、建ったんだから、その会館に相応しい使い方をしてあげるべきだろう。建物も1つの芸術。


 Wikipediaの新会館の写真を取りあえず引用。


 さて、この会館に、「垂れ幕」をつけたい人達がいるようです。
「捜査の可視化を!」とか、スローガンをつけたいのだそうだ。


 そういう人達が、そういう提案をしたら、もともとそんな垂れ幕をつけるように出来ていない会館だもんだから、「危険」ということで(実際にあぶないらしい)、片づけられてしまった。勿論、それ以前に、折角作った建物と、垂れ幕が合わないという意見も多数あった。


 会館に垂れ幕をかけられないのであれば、別途垂れ幕をかけるための、台のようなものを作ろうと言っておられる。そして、業者に見積をすると、それを作るのに880万円必要なんだそうである。しかも、この台、決して高くない。会館の10階に吊すなら、近辺の高速道路から見えたりするが、地面に据え付ける台であるから、その道を通る人にしかアピールできない。


 日本の弁護士会の会費は高いから、今の弁護士会には沢山の予算があるのだろう。
 しかし、世界的に見ても異常な会費を、「司法制度改革」の中で維持するのは難しくなる。ただでさえ、凄い予算を使って新会館を建てた大阪弁護士会には、予算の余裕もないのだから、そんないらんもんばっかり作るのは、やめて欲しいものだが。


 裁判所からも少し離れ、駅からも遠い大阪弁護士会の会館に垂れ幕をつけるよりは、ネットのホームページとか、メディアとか、様々な場所で意見を訴えていくことはできる。カタチに拘るなら、まずは建ててしまった建物を大事に使うことにこだわって欲しい。