藤本大学~徒然なるままに(弁護士ぎーちのブログ)

ぎーち(弁護士藤本一郎:個人としては大阪弁護士会所属)のブログです。弁護士法人創知法律事務所(法人は、第二東京弁護士会所属)の代表社員です。東京・大阪・札幌にオフィスを持っています。また教育にも力を入れています。京都大学客員教授・同志社大学客員教授・神戸大学嘱託講師をやっています。英語・中国語・日本語が使えます。実は上場会社の役員とかもやっていますし、ビジネスロイヤーだと認識していますが、同時に、人権派でもあると思っています。要するに、熱い男のつもりです。

ある弁護士とのトーク


 先日、ベトナム弁護士会の代表団が大阪にやってきました。
 ベトナムの弁護士さん、若い人であれば、英語は問題ないですね。


 ただ、私に割当てられた席は比較的年輩の方が集まった席。
 英語が通じず、中国語も通じず、通訳なしではトークできませんでした。


 ちなみに、通訳のベトナム人は優秀。
 こちらの日本語のみならず、中国語も英語も理解しました。
 一体何カ国語喋れるんだ!?


 ・・・という感じだったので、通訳が相手してくれない時は、日本のある弁護士さんと喋っていました。
 流れで、何故かロースクールの話に。
 彼が言うには、貸与制+予備試験で、ロースクール出身者は「2流」扱いされるだろうということです。もうローの学生は採らないと言明していました・・・。


 んー、本当にそうなるのかなあ・・・。
 確かに、今でもロースクールを目指す学生が、3回生・4回生の時に先に旧試験を受験する傾向があって、その代わりに予備試験を受けるようになることは予想されます。じゃあ、それに受かってしまったら、ロースクールには行かないんでしょうか?


 確かに、お金のことを考えると、行かないかもしれないなあ・・・と思います。学費の問題もありますが、仮にそのままストレートで新司法試験に合格すれば、2年間、時間を節約できるのも大きいかもしれません。
 しかも、今の新司法試験の合格の現状・・・できる人なら、大抵受かる・・・からすれば、予備試験に合格する者は、多分新司法試験にも合格するでしょう。


 ただ、採用する側が、ロースクール出と、予備試験出と、いずれを評価するのか、そこにかかっているようにも思います。予備試験という競争相手に勝つには、ロースクールは一層、多才な人材を法曹に送り込む必要があると思います。ところが、未習者中心で行くと決めて、3年制を原則としていた早稲田も方向転換を迫られ、京大も定員減の際に未習者の枠を大きく削りました(定員40名(2割)減のうち,未習25名減で35名に(全体の3割だったのが、2割そこそこ)、既習15名減で125名に)。危ない薫りがします。


 このままだと、「優秀な未習者」を採れるのは、ここ1〜2年で終わりかもしれませんね。
 結局、法学部卒ばかりが集う「ロースクール」となれば、確かに予備試験組が「1流」、ロースクール出が「2流」になりかねない気がしてきました。


 多様な法曹の実現は、なかなか厳しい!
 それだったら、誰でも受験できた旧試験の方が良かった・・・なんて言われないように、制度設計して欲しいですが。。。


 ちなみに、ウチに今年サマクラに来た人(大阪事務所での既卒33名)の中で、ベトナム語を学部で専門で勉強されて喋れる方は2名いらっしゃいました。ああいう方がもっといれば、もっと楽しいベトナム弁護士会との会談になったと思うんですけどね。そういう方は、もうこの世界には来てくれないとすれば、やっぱりまずい気がするんですけどね。