藤本大学~徒然なるままに(弁護士ぎーちのブログ)

ぎーち(弁護士藤本一郎:個人としては大阪弁護士会所属)のブログです。弁護士法人創知法律事務所(法人は、第二東京弁護士会所属)の代表社員です。東京・大阪・札幌にオフィスを持っています。また教育にも力を入れています。京都大学客員教授・同志社大学客員教授・神戸大学嘱託講師をやっています。英語・中国語・日本語が使えます。実は上場会社の役員とかもやっていますし、ビジネスロイヤーだと認識していますが、同時に、人権派でもあると思っています。要するに、熱い男のつもりです。

日弁連会長選挙(苦笑)


 日本弁護士連合会の会長選挙の投票日は、今日2月5日です。
 私は、出張ですので投票できません。従って不在者投票を済ませました。


 さて、誰が当選するでしょうか。
 立候補しているのは、下記の2人の弁護士です。
 

 宇都宮健児(うつのみや・けんじ) 候補
 山本剛嗣(やまもと・たけじ) 候補


 激戦が伝えられており、もしかしたら再投票・再選挙になるかもしれません。
 ただ、これをしても当選者が決まらない可能性があります。


 これを法的にご説明しますと、日弁連の会則61条以下に選挙に関する規定があるのですが、同規則61条2項には、次のような規定があります。


「最多得票者が当選者となるには弁護士会の総数の三分の一を超える弁護士会においてそれぞれ最多票を得ていなければならない」


 つまり、A候補がB候補より得票数において多くても、3分の1を越える弁護士会、実際に日本には52の単位(地方)弁護士会がありますので、18弁護士会において最多票を得ていなければならないのですが、最多票を得る候補が、18弁護士会を抑えることができない可能性がある訳です。


 仮に、このような事態が発生すると、まず「再投票」が2月中に行われます。
 ただ、同61条の2によれば、

「当選者がなかつた場合には、得票の多い候補者二人について再投票を行う。
2 前条第二項及び第三項の規定は、前項に規定する再投票の場合に準用する。」


 と規定されているので、「再投票」で最多得票者がまたまた18弁護士会を抑えることができない場合には、やっぱり当選者を決められないという制約があります。


 再投票でも当選者が決まらない場合は、「再選挙」となるのですが、同61条の3によれば、


「2 再選挙については、選挙の時期を除き、第六十一条の規定を準用する。」


 と規定されているので、最多得票者がまたまた18弁護士会を抑えることができない場合には、やっぱり当選者を決められないという制約がつきまといます。



 結論として、永遠に当選者が決まらない可能性がある制度だということです。
 大丈夫かな。



 ・・・


 法曹人口が争点の1つだと言われていますが、私個人はここで何度も表明しているとおり、1500とか1000人に抑制するというのは、法科大学院教育のみならず、司法改革そのものの否定であって、許されないと思います。


 若い会員は選挙に無関心だと言われており、現に不在者投票投票率が著しく悪いと聞いております。確かに両者の政策の相違は分かりにくい。会の選挙なんて興味がないかもしれません。私も正直、会内政治にはかかわりたくありません。


 ただ、選挙は、「良い候補」を選ぶのではなく、「よりマシな候補」を選ぶものであって、どっちもダメという選択はあり得ないと思います。自分が司法試験に通るまでは枠を拡大しろ!と言っておいて、通ってからその入口を狭めるような行動を取ることがないように、個々の会員が、後輩のために最善の行動を取るべきだと、私は考えます。