憲法改正への議論
安倍さんが広島市で総裁選出馬を正式表明、憲法改正への意欲もにじませたようです。
憲法改正、というときに、9条など安全保障の問題について改正することと、他の条項について改正することは分けて議論されることが多いと思いますが、私個人としては、前者、つまり安全保障にかかわる部分については、議論をしっかりすることは良いことだと思いますが、改憲については、いまのところ否定的です。確かに、自衛隊≠軍隊は詭弁とか、「普通の国」じゃないとか、色々意見はあるのだと思いますが、まあ、憲法ってものは、理想を表すものであって、我が国が戦後再出発をするときに、たとえ他人の入れ知恵であるにせよ、平和主義を実現する手段として決めた1つの手法について、再検討するには時期尚早だと思うのですが、如何でしょうか。
よく、自主憲法を作りたいと仰る方がいらっしゃいますが、それは、別に安全保障以外の部分を改憲することでも達成できるのではないかと思います。安全保障は確かに国家の一大事ですが、これが全てではないし、実際に戦後ずっと、日本は平和憲法のお陰で発展したこともまた事実ですから、それは正当に評価されてもいいんじゃないかなあ、と思います。
あと、憲法問題ではありませんが、防衛庁の防衛省への昇格問題も、どうかなあと思うんですよね。
前にも書きましたが、コマンダーインチーフの理想を前提とすれば、「庁」とした方が分かりやすいと思うんですけどねえ。陸軍や海軍が内閣から離れて暴走した歴史を踏まえると尚更だと思うのですが。
安倍さんが、そんな中で、平和公園に行った上で記者会見して出馬表明したこと自体は、たとえセレモニーであっても、良かったとは思います。でも、平和公園に行くこと自体は、誰でもできるわけですし、また、国家の政策を表す行為ではない訳です。憲法や、行政機構の「かたち」にこそ、表れる訳で、この点やっぱり安倍さんの政策は、ちょっと右に寄りすぎているなあ、という気がしてなりません。
これも前も書いたのですが、安倍さんは、USCのご出身。中国地方(山口県出身)と、ロサンゼルスにゆかりのあるひとが総理総裁になること自体は、ちょっと嬉しい気もします。私がロスにいるうちに遊びに来てくれないかなあ。