TBC事件遂に判決
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070208-00000126-jij-soci
TBCが顧客の個人情報を流失させていた件で、1人あたり2万2000円から3万5000円の損害を認めた判決が出たようです。この記事だけからははっきりしませんが、おそらく平成14年5月にTBCの5万件の個人情報がネット上に流出してしまった件についての損害賠償事件だと思います。
【類似の事例】
●委託業者から住民票データが流出した宇治市住民基本台帳データ漏洩事件(大阪高判平成13年12月26日)
宇治市に対し被害者1名あたり1万5000円の慰謝料請求を認容
●早稲田大学江沢民主席講演参加者名簿漏洩事件(東京高判平成14年1月16日判時1772号17頁)
参加した被害者1名あたり1万円の慰謝料請求を認容。
記事にもあるとおり、3万5000円を1人あたり認めたという点については、過去最高額ということになるかと思います。
個人情報1件あたりでは「大した額」ではないかもしれませんが、TBCは5万件流出させていた訳で、もしも全員から訴訟が提起されていたならば、10億円規模の損害賠償になるところでした。
個人情報保護法の施行や各種民間団体情報規格の普及、そして何より世の中の急速な情報化という事情がありますので、徐々に損害賠償額が上がっていく可能性があります。各企業には、一層の予防的リスク管理が求められるところです。