藤本大学~徒然なるままに(弁護士ぎーちのブログ)

ぎーち(弁護士藤本一郎:個人としては大阪弁護士会所属)のブログです。弁護士法人創知法律事務所(法人は、第二東京弁護士会所属)の代表社員です。東京・大阪・札幌にオフィスを持っています。また教育にも力を入れています。京都大学客員教授・同志社大学客員教授・神戸大学嘱託講師をやっています。英語・中国語・日本語が使えます。実は上場会社の役員とかもやっていますし、ビジネスロイヤーだと認識していますが、同時に、人権派でもあると思っています。要するに、熱い男のつもりです。

新司法試験合格発表


 新司法試験の合格発表がありました。
 合格された1851名の皆様、おめでとうございます。
(個別にご報告を頂いた後輩やオトモダチ、ありがとうございました。)


 色々おめでたくない話もあり、疑惑の大学の合格率がやっぱりいつもよりとても高いのを見ると、う〜む、と思う点も正直ありますが、本当に法曹に相応しくない人間が仮に合格しているとすれば、実務家がきちんと判断をして、法曹の職を与えない、とする以外にないのだろうと思います。


 しかし、1851名っていうのは、予定されていた1800〜2200という枠で考えれば、少し少ないですね。近時の「就職難」の影響でしょうか。前年度新旧60期が合計して2500名程度いたことを考えると、今年度新旧61期、つまり2008年に新たに法曹になる人数は少し減る(あわせて2350名前後)ということでしょうか。まあでも、弁護士だけではなく、任官数も全くマトモに伸びていない現実を考えると、それで良いのかもしれません。


 そういえば、この間、上海市とサンフランシスコ市の姉妹都市を記念した法曹の交流会に参加してきました。
 参加者は不釣り合いで、サンフランシスコ側は、2名の州最高裁判事を含む大物が参加していたのに、上海側は全体として若手ばかり。私がたかが25名の上海側のメンバーに入れる位ですから、推して知るべしです。裁判所の参加者は剛剛裁判官になったような人しか参加しておらず、質問も、噛み合ったとはいえませんでした(おそらく英語ができる人間が老人にはいないということなんでしょう)。ただ、予算がないながらも、上海の若手の裁判官はかなり沢山採用されているらしいところを聞くと、ちょっと羨ましくもありました。一生懸命、サンフランシスコ側に、州における司法予算の獲得方法を聞いておられましたが。。。


 不合格だった方にも一言言わせて下さい。
 司法試験なんて、決して人生の中で一番大事な瞬間ではありません。投資した時間やお金を考えると、撤退には勇気がいるかもしれませんが、冷静に判断すれば撤退すべき時もあります。これはそれぞれの置かれている状況にもよりけりだとは思いますが。


 私の友人の1人は、旧司法試験ですが、長年司法試験があと一歩のところで上手く行かず、ついに今年撤退しました。でも、幸運にも新しい職場を見つけて、今は充実した仕事ぶりのようです。
 私の別の友人は、司法試験を突破し弁護士事務所で仕事を始めたものの、弁護士業とは全く違う、しかも、その資格が評価される余地も全くないような業種に転職し、収入は10分の1。でも、その道で活躍されていると聞いています。


 私も、18の時に弁護士になろうと決めて一応今も弁護士をやっていますが、当時想像していた弁護士とは全く違うような仕事をやっているような気がします。結局、自分の興味あることでないと続かない一方で、必要とされる分野でなければ仕事はできない訳ですから、自分の興味と適正を今一度不合格を機に冷静に考えてみたら良いのではないかと思います。