裁判員制度における弁護人
今日、国選の裁判員制度下の事件の弁護人登録を求めるFAXが来ているようでした(あんまりじっくり読み込んでいません)。
弁護人報酬が5倍近くになるそうですが、もともと極めて低い報酬ですから、5倍にしたからといって、なり手があるのでしょうか・・・。それとも、司法制度改革の中で、敢えて刑事弁護を専門とする弁護士が多数登録するのでしょうか。
私自身は、いまだ国選弁護をやっているのですが、集中開廷が行われる裁判員制度下での事件を受けてしまうと、おそらく他の事件が殆どできないか、又は、裁判員の前で恥をかく(=マトモな準備をせずに弁護をすることになる)と思うので、今のところは、5月以後の国選弁護登録はやめようと思っています。結果的に、今年で刑事裁判から引退になるかもしれません。本当のところは、裁判員制度そのものには興味がありますが、弁護人の犠牲の下で制度を回すやり方は、仕事としてはついていけないというのがホンネです。また、書証を見ない、判決も書かないような裁判員相手に、「疑わしきは被告人に有利に」をどこまで貫けるのか、という根本的疑問もあり、仮に頑張ってやったとしても、弁護活動が検察官の美しいパワーポイントの前に空虚に終わるのではないのかという気もしています。
勿論、この報酬の値上げ率を見ていると、決して国が無為無策にしているとは思いません。しかしそれでも、根本的な解決にはなっていないと思うのです。