お前ら、状況分かっているのか??
過日、某大手企業の法務や知財を担当しておられる方と飲む機会があった。
ある会社では、今年1月から、ロースクール出の「弁護士」を雇用したのだそうだが、もう辞表を提出して辞めてしまったそうである。
その会社は、確かに新卒弁護士の雇用には慣れていなかったようで、まずかった面もあったなあという感想もあるそうだが、「せめてあと2年は働いてくれたらなあ・・・」という感想だったようだ。そう、会社としては、新人弁護士としての研修や、国選弁護、会務など、通常の新入社員ではあり得ない「自由」を保証し、弁護士会費も負担していたのである。また、会社の法務・知財だけでは不足だろうと思い、弁護士事務所に研修の申し出もされていたそうだ。たとえ、見かけの給与は、法律事務所に入るより低かったとしても、新入社員としては異例の待遇と自由を与えたのに、裏切られたのである。
最近、法律事務所や企業に入った新人で、すぐに辞めてしまう人が増えていると聞いていたが、ここまで事態が悪化しているとは。
確かに、このような方は一部なのかもしれないが、最近、そもそも弁護士になりたかった訳でもないのに、試験が簡単になったために弁護士になってる人が増えているなあ、と感じることがあった。自分がやりたい仕事が分からないまま、弁護士としての仕事を始めてしまう人が増えているのかもしれない。その結果、入ったは良いが、自分の仕事の意義を見いだせず辞めてしまっているような気がする。エクスターンの学生に聞いたが、ロースクールに入りやすくなっていることもあり、大学4回生は、「取りあえずロースクール行くかあ」みたいな人がかなり増えているということであった。
こういうことの繰り返しが、「ロー出の奴はお高くとまっている」「能力もないクセに一人前のことを言いやがって」等々の評判を生んでいき、自分たちの後輩を苦しめるということを理解していないのだろうか。「質の低下」が叫ばれる中で、法律の能力以外のこういう行動を露呈させてしまっていったら、将来、大変なことになるような気がする。