藤本大学~徒然なるままに(弁護士ぎーちのブログ)

ぎーち(弁護士藤本一郎:個人としては大阪弁護士会所属)のブログです。弁護士法人創知法律事務所(法人は、第二東京弁護士会所属)の代表社員です。東京・大阪・札幌にオフィスを持っています。また教育にも力を入れています。京都大学客員教授・同志社大学客員教授・神戸大学嘱託講師をやっています。英語・中国語・日本語が使えます。実は上場会社の役員とかもやっていますし、ビジネスロイヤーだと認識していますが、同時に、人権派でもあると思っています。要するに、熱い男のつもりです。

末永部長


 ボツネタ経由で末永部長の意見を読みました。

http://www.h-lasalle.com/alumnus/alumnus.php#1


 私も質の低下云々よりは、「今までは大学に在学しようが、卒業しようが、司法試験という試験にさえ合格すれば、司法修習生になることができ、それと同時に国家から給与が支給されるので、お金持ちの師弟でなくても、法曹となることが比較的に容易であったのに、今では、大学の法学部を卒業した上、法科大学院に入学し、多大な授業料を支払った上、司法修習生となっても国家からの給与は支給されないこととなり、すべて順調に行ったとしても、25歳にならなければ、自分で稼ぐことができず、その結果、裕福な家庭の子女でなければ、法曹となれないような制度ができあがってしまっているのです。」との御指摘部分には、強く共感します(但し、何とか諸制度を充実させて、法科大学院に貧しくても行けるようにすべきだとより思いますが。)。


 ただ、お金がある人が法曹になってはならないか、と言われると、それも違うと思います。
 どちらからも、多様な層から、優秀な人が法曹になってもらうことが必要だと思います。


 私は、決して食べるのには困りませんでしたが、こういう書き方をしたら親に怒られるかもしれませんが、幸か不幸か、それ程裕福な家庭に育った訳ではなかったので、例えば、教育(広島市立仁保小学校→三入東小学校→三入中学校→広島県立安古市高等学校→国立京都大学→カリフォルニア大学ロサンゼルス校)は最後まで一貫して公教育でしたし(あ!広島の本浦幼稚園だけは私立ですね・・・)、色々な奴がいて陰に陽に虐められたこともあったし、でも、お陰で、なんとか工夫して自分で考えて行動するという力は身に付いた気がします。

 しかし、いつまでたっても我流なので、例えば英語と中国語を使いこなすと言っても、10代のうちに手に入れた語学力ではないので、お金があって1年とか2年、10代でアメリカや中国に留学できた人の語学力と比べると、やっぱり落ちます。そういう、若い時の英才教育も、ないものねだりかもしれませんが、羨ましいなあと思うことがあります。それで、どっちが良いとか悪いとかじゃなくて、どっちもフェアに活躍できることが大事なんじゃないかなあと思うのです。


 サマクラの経歴とかを見ていると、「華麗」な経歴の方が増えてきた気がします。正直その教育にたどり着けたその方が羨ましいです。それはそれで良いのですが、派手な経歴はないけど、ヨダレ垂らしながらでもガツンと仕事をやるようなタイプも、法曹にもっと居てもいいのかな、と思います。それが法科大学院制度のせいでいなくなったという世界にはしたくないですね。法科大学院制度のもとで、どうやったら多様な人材が集まるか、是非国もお金を出して考えて欲しいなあと思います。