藤本大学~徒然なるままに(弁護士ぎーちのブログ)

ぎーち(弁護士藤本一郎:個人としては大阪弁護士会所属)のブログです。弁護士法人創知法律事務所(法人は、第二東京弁護士会所属)の代表社員です。東京・大阪・札幌にオフィスを持っています。また教育にも力を入れています。京都大学客員教授・同志社大学客員教授・神戸大学嘱託講師をやっています。英語・中国語・日本語が使えます。実は上場会社の役員とかもやっていますし、ビジネスロイヤーだと認識していますが、同時に、人権派でもあると思っています。要するに、熱い男のつもりです。

経営者集中に関する2つの弁法


 ついこの間、現代アジア法研究会で、経営者集中に関する現状について発表させて頂いたのですが、実はその直前に、商務部の反龍断局(独占禁止局)から、比較的重要な弁法が2つ発表されておりました。私自身が気付くのが数日遅れてしまいまして、申し訳ありません。


 1つは、「経営者集中申報弁法」でして、
 http://fldj.mofcom.gov.cn/aarticle/c/200911/20091106639149.html


 もう1つは、「経営者集中審査弁法」です。
 http://fldj.mofcom.gov.cn/aarticle/c/200911/20091106639145.html


 前者は、もともと意見徴求されていた「経営者集中申報暫定弁法」が多少なり明らかにしていた「控制权」の定義(暫定弁法3条)について定めていないので、法の定める申報(事前審査請求)が必要か否かをある程度明確化するという本来の目的(まあ、私が勝手に考えていた目的ですが・・・)を明らかにする、ということができていないように思われる点が非常に残念です。


 後者は、余りコメントするような内容はないかな、と思っています。


 依然として、(i) 申報が免除されるかされないかの基準、(ii) 実質審査において如何なる場合が競争を排除・制限しているとして違法となるかの基準が、法の定め以上には明確になっていないように感じます。


 ただ、商務部の反龍断局は、比較的意欲的に様々な規則を定めようとしております。尚明局長は、今年来日もされて講演も行っており、そこで私が質問させて頂いた外国投資者MA規定との間の売上高基準の矛盾も、速攻で同規定から同基準を削除することにより撤廃する等、外部の声に対し意欲的に対応して頂いていると感じます(別に私の質問にすぐ答えてくれた訳じゃないでしょうけどねぇ)。現在は、実質法となるであろう「審査規則」の制定に向けて更に検討を進めているとのことですので、更なるルールの明確化に期待したいと思います。