留学生と法科大学院生
私の知っている若い人達〜私も若いつもりですが、まあそれはさておき〜を見ていると、本当に優秀だなあと思うことがあります。
ただ、優秀だから将来が順風満帆、とはいかないのが現代社会。
特に留学生を見て思うのです。
日本は国策で、非常に多くの留学生を受け入れ始めています。
しかし、実際には主としてアジア、特に私費となれば中国から位しか留学生が来ないので、専攻によっては大学内の構成が極端になります。
その最たるのが法学研究科ではないでしょうか。日本の学生の多くが法科大学院に進学するために、法学研究科はまさに留学生のためのみに存在するかのような感じになってきています。特に中国人にとっては、有名国立大学の法学研究科ですら、「小園子」でしかないです。
急にこんな事態になったので、なにより困るのが就職。
私にもっと力があれば、2人目、3人目の中国律師を雇用したいですが、私も今年度に初めて雇用したばかりですのでいきなりそうする訳にはいきません。良く知る優秀な学生さんも、本当に機会がなくて困っています。
ただ、留学する学生の方も、若干日本の大学事情の研究が足らない、かもしれません。留学生向けの法学研究科を避けて、日本の弁護士資格を取得できる法科大学院に、もし留学していたら、どうなっていたでしょうか。中国の律師資格は、現状日本人では取得できませんが、中国人は日本の弁護士資格を取得できます。日中ダブルライセンスを持って日中で活躍する・・・日本人であるいまの私にはできない技だけに、羨ましく思います。
ニューヨーク州の司法試験は、外国人が多く受験します。
外国の大学出身の受験生が全体の25%にも達します。
http://www.nybarexam.org/Press/SBLE_press_release_July2009results.pdf
そして世界にニューヨーク州弁護士が散らばり、価値観が共有されます。
日本の法曹人口の増大は、需要の拡大なき増大、旧態依然とした法曹像を前提としながらの人口のみの増大であったために、ひずみが生じていると思います。こうやって、法科大学院のすぐ隣の法学研究科には、外国から多数の優秀な学生が来ている事実、ニューヨーク州のように、司法試験の25%が外国の大学教育出身者に占められている事実。ますますグローバルな社会になる中で、ますます厳しい競争の中で生き残らなければならない中で、日本の弁護士資格も、世界、特にアジアの人々が欲しいと思うような資格であれば、色々な問題が、解決していくように感じるのですが・・・。