藤本大学~徒然なるままに(弁護士ぎーちのブログ)

ぎーち(弁護士藤本一郎:個人としては大阪弁護士会所属)のブログです。弁護士法人創知法律事務所(法人は、第二東京弁護士会所属)の代表社員です。東京・大阪・札幌にオフィスを持っています。また教育にも力を入れています。京都大学客員教授・同志社大学客員教授・神戸大学嘱託講師をやっています。英語・中国語・日本語が使えます。実は上場会社の役員とかもやっていますし、ビジネスロイヤーだと認識していますが、同時に、人権派でもあると思っています。要するに、熱い男のつもりです。

新司法試験はじまる。


 新司法試験が今日から始まりました。
 受験者数は、過去最高の8163人だそうです。受験生の皆さん、全力を尽くして頑張って頂きたいと思います。だいたい何でも諦めなければなんとかなるもんです。

 
 ところで、来年の法科大学院入学を狙う大学入試センター主催の適性試験の出願は5月7日に締めきられ、最終日現在の出願者数は、7208人に留まっています。このセンター試験以外にも日弁連適性試験もあるのですが、主要な大学の一部が、大学入試センター適性試験しか受け付けないこともあり、大学入試センター適性試験出願者数は、法科大学院全体の志願者数の上限(適性試験を受けても法科大学院受験を諦める人もいるので)を示す重要な数字です。ここから数百人の出願(当日消印有効のため)が増加すると思いますが、いずれにせよ、今年の司法試験受験者数の方が上になると思います。


 初年度、平成15年度の適性試験本試験は、何名出願したと思いますか?なんと3万1301人ですよ。初年度の混乱のために急遽行われた「追試」ですら、8565人の人が出願しました。


 私が受験した平成11年の司法試験(旧司法試験)は、丁度1000人合格者を排出した試験だったと思います。その試験は曖昧な記憶ですが、3万数千人の出願者がいたと思います(合格率が2%台だったと思うので)。


 いまの新制度は、法科大学院という過程を経るので、合格率は高いが、法科大学院の段階での選抜試験が機能しているから、司法試験合格率を上げながら優秀な人材を囲いこむことができる、というのも1つの売りだったと思います。しかし、新司法試験の受験生の数が8000人であるのは良いとして、法科大学院を受験する総数が8000人に留まるのは、明らかに法曹に流入する人が昔以上に偏っていることを示すものだと思います。


 出願者がここまで減った原因は何でしょうか。法曹が食えないから?司法試験合格率が低いから?色々あるでしょう。


 ただ、世界的に見れば、弁護士稼業は面白く、お金にもなって、しかも社会のためになるビジネスだと見られています。日本の弁護士は、国際化に成功していないからこのような状況に追い込まれているだけであって、その気になればまだまだチャンスはあると思います。
 

 私なんかは、なんでも少数派であることに強みがあり、多数に流れることにはリスクがあると思っています。こういう志願者が少ない時代に法曹にチャレンジすることこそ、人生の成功の鍵が隠れているような気がします。


 因みに、今日発売の「法学セミナー」40頁に、3月に大阪弁護士会で開催された法曹養成制度シンポジウムの紹介記事を掲載させて頂いております。ご興味があれば是非お読み下さい。2頁に凝縮しているので、議論を十分には紹介しきれておりませんが・・・。


 また、6月26日の読売新聞社主催の法科大学院セミナーで、今年も短い講演を担当するつもりです。「ピンチこそチャンス」だということで、高い目的意識を持って頑張れば、意外と明るい未来が開けるのでは?という話をしてきたいと思います。