藤本大学~徒然なるままに(弁護士ぎーちのブログ)

ぎーち(弁護士藤本一郎:個人としては大阪弁護士会所属)のブログです。弁護士法人創知法律事務所(法人は、第二東京弁護士会所属)の代表社員です。東京・大阪・札幌にオフィスを持っています。また教育にも力を入れています。京都大学客員教授・同志社大学客員教授・神戸大学嘱託講師をやっています。英語・中国語・日本語が使えます。実は上場会社の役員とかもやっていますし、ビジネスロイヤーだと認識していますが、同時に、人権派でもあると思っています。要するに、熱い男のつもりです。

米国での留学先


 今日は早起きに成功して、仕事も雑用も順調なので、もう1つ書いてみます。

 最近、米国のLaw SchoolのLLMプログラムに留学しよう、という方から、「留学先を決めた」、とか、「出願した」、という話を聞くようになりました。そう、多くの米国のLaw SchoolのLLMプログラム(私も2年前の今頃、TOEFLの点数が足らないまま願書を書いてました・・・)の出願期限が締め切られた頃、あるいは今月末で締め切られます。

 さて、米国のLaw SchoolのLLMプログラムに留学しよう、っていうような方は、弁護士・裁判官・検察官といった法曹三者か、または上場企業の法務部に所属する方か、銀行か商社の出世コースの方、といったところになります。そんな職業をしておられる方ですから、殆どが学部は東大・京大・早稲田・慶応を卒業している訳です。日本では超高学歴ってことになるのでしょうか。そんな学歴ですと、アメリカに留学するなら、「少しでも良い大学」に行きたい!ときっと思っておられると思います。ただ、最近は日本人だけではなくて、インド人、中国人、台湾人、韓国人、タイ人などが多数アメリカのLaw SchoolのLLMを目指す訳です(勿論ヨーロッパからも多数来ます)。さらに日本人自身の留学希望者も増えつつあると聞きます(だいたい4大事務所が巨大化してしまったしねえ)。そうすると、10年前なら誰でもUS NEWSのランキングでTOP 10あたりまでのLaw Schoolに行けた訳ですが、今はTOP 30でも厳しい、ということも生じつつあると思います。


 私が今日言いたいことは、TOP30あたりでも全然良いじゃないか、あんまりこのUS NEWSのランキングに必死になりすぎるなよ〜ってことです。


 私も来るまでは、1つでもランキングの高いLLMだと良いなあ・・・なんて思っていたのですが、よくよく考えると、US NewsのランキングはJD(同じロースクールでも、3年生)のものであってLLMじゃあないんですよねえ。だいたい、LLMって、定員が一大学で10人のところもあれば数百人のところもあって、たとえJDではランキングひと桁の大学であっても、実際はもっと下の大学より入りやすい、ってところだってあります。簡単に大学では比較できません。

 そりゃ、HarvardやYaleやStanfordに、Name Valueがあることは間違いない訳です。でも、それ以下だったら、あんまりランクの差に一喜一憂しない方がいいんじゃないかなあ・・・というのが今の感想です。結局、自分次第ですからねえ。名前自体が何かを与えてくれる訳ではないです。

 ちなみに、これはどうでもいい話ですが、Stanfordに合格された方、司法試験は大変そうですよ・・・卒業が普通のLaw Schoolより1ヶ月遅いので、Barの勉強が1ヶ月遅く開始になってしまいます。。。


 私の場合は、偶然と必然とが混ざり合ってこうしてUCLAに来た訳です。
 UCLAは、いわゆる上位の大学ですが、少なくともLaw SchoolのJDプログラムに関してはHarvardやYaleほどの最上位グループには属しているとは言えません。Law Schoolの歴史自体、30年そこらしかないのです(まあ30年しかない割には良くやっていますが)。LLMのクラスも、今はちょっと大きなLLMになりつつありますが、私の時で24名しかいない小さなクラスでした。日本人も私を入れて2人だけでした。New York州司法試験をその相棒が受けずに帰国してしまったので、日本人では私1人UCLAから受験するというハメになりました。大学の卒業Requirementsの関係では、もともと学者しか相手にするつもりがなかったのか、論文を2回も書かなければいけないハメになり、「聞いてなかったよー」という感じでしたし、まあなんちゅうかLLM担当に割り当てられた教官のLLMに対する認識不足のせいでえらく大学に失望させられたこともありました。でも、総じては楽しく有意義な学生生活を送らせて貰いました。何より、Los Angelesという場所、カリフォルニア州という場所がとても良かったです。そしてそのままこの大好きなLos Angelesで法律事務所の研修を受けることもできて、本当に良かったなあ、と思います。いつかまたここで仕事をしてみたいです。


 周囲の留学した友達を見ていても、あんまり大学名やランキングに拘らなかった人の方が、生き生きしていた、というのも大きいですね。特にDavisのプレLLMスクールで出会った人の中には、大変その人には申し訳ないけど、大学名も知らないようなLaw Schoolに行く人もいました。その方はもっとランキングでは上位の大学からも合格していたのに、その場所が好きでその無名大学にしたそうです。その人とは時々連絡を取るのですが、いつ聞いても、すごく生き生きと楽しそうに勉強をしてらっしゃっいました。「良い学校に行かないと人脈が・・」とかあれこれ考えるかもしれませんが、所詮ここは外国。生き生きと学べることほど素晴らしいことはないと思います。


 いやもちろん、上位のLaw Schoolに受かった方、そのまま行きたい大学に行かれたら良いと思うんです。私ももしHarvardに出願できていて(締切が早い(私の頃は12月1日まで)ので願書すら出せませんでした)、合格していたら、喜び勇んで行ったとは思います。でも、あまり学歴に拘って、例えば「上位5つまでの大学じゃなかったら留学を1年遅らせる!」とか、意味のない躊躇をしてしまったら、きっと後悔すると思います。そして、今年だったら合格できた大学に、来年は合格できないかもしれません。そして、そもそも我が国では、LLMに留学した、という経歴は、殆ど誰からも評価されない、自己満足に過ぎないことも忘れてはならないと思います。


 ちなみに、ランク上位だと、学費も高くなりますよー。UCLAとUC Davis、同じUCなのに9ヶ月間の学費が100万円くらい違います。UC Davisも良い大学でしたが。


 多くの人に関係のない話だったかもしれませんが、今が「旬」だと思ったので書いてみました。。。


※どうでもいい話ですが、2ちゃんねるから飛んできている方が結構いるようです。どこで晒されたんだろう。。。怖いなあ。教えてくれたら感謝します。