藤本大学~徒然なるままに(弁護士ぎーちのブログ)

ぎーち(弁護士藤本一郎:個人としては大阪弁護士会所属)のブログです。弁護士法人創知法律事務所(法人は、第二東京弁護士会所属)の代表社員です。東京・大阪・札幌にオフィスを持っています。また教育にも力を入れています。京都大学客員教授・同志社大学客員教授・神戸大学嘱託講師をやっています。英語・中国語・日本語が使えます。実は上場会社の役員とかもやっていますし、ビジネスロイヤーだと認識していますが、同時に、人権派でもあると思っています。要するに、熱い男のつもりです。

日弁連・大阪弁護士会の会長選挙

 
 えー、午前1時でも目の前で花火が鳴り響く上海です・・・。昨日よりはマシですが。
 まあ、誰もこの程度では驚かないのでしょうね・・・。


 ところで、今日は選挙ネタです。2008年2月8日は日弁連大阪弁護士会の会長選挙でした。


 日弁連は2年に1回、大阪弁護士会は1年に1回会長選挙があります。
 大阪弁護士会の会長は、理屈はよく分からないですが何故か日弁連の副会長にも就任する仕組みとなっていて、また、どちらの選挙も「接戦」と言われる大事な選挙でした。


 上海在住の某弁護士が、NHで投票のためだけに上海から日本に帰国したのを横目に、留学3年目にてお金のない私は、自分の会派から大阪弁護士会の会長候補者が出ているにもかかわらず、投票には行きませんでした。まずは、その点を、自分の会派の候補者と、特に熱心に支援されておられた先生方に対しお詫びしたいと思います。


 日弁連の結果については、既に新聞報道されていますとおり、宮崎誠弁護士(大阪弁護士会弁護士法人大江橋法律事務所)が当選しています。


朝日新聞2008年2月8日付関西電子版
日弁連会長に大阪弁護士会宮崎誠氏】
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200802080057.html

 日本弁護士連合会(約2万5000人)の会長選が8日投開票され、司法制度改革推進派の宮崎誠氏(63)=大阪弁護士会=が反対派の高山俊吉氏(67)=東京弁護士会=を抑えて当選した。仮集計で宮崎氏が9402票(得票率約56%)、高山氏が7043票(同42%)、投票率は66.52%だった。任期は4月から2年。宮崎氏は09年春に裁判員制度が始まる時の会長となる。

 選挙戦で宮崎氏は従来の司法制度改革推進の路線を継承するとしつつ、司法試験合格者を2010年までに年間3000人にするという政府の法曹人口の増員計画については見直しを求める方針を示した。改革反対派の高山氏もかなりの票を集めたと言え、今後のかじ取りは難しそうだ。15日の選挙管理委員会で当選者が最終確定する。


 ちなみに票の詳細は下記日弁連サイト
http://www.nichibenren.or.jp/ja/updates/data/oshirase080208.pdf


 宮崎弁護士は、所属法律事務所からも推察できるかもしれませんが、いわゆる「主流派」の弁護士でして、高山弁護士は、これで4回連続の立候補なのですが、「反主流派」の弁護士だと言われています。どうしても、共産党系の「色」があると思われていた高山弁護士が、42%もの得票(たった2359票差)を得たというのは、私も日本を離れて3年近く経つので雰囲気がよく分かりませんが、かなり大きな意味があるといえると思います。


 特に、単位会別の得票で見ますと、宮崎弁護士の出身母体である大阪弁護士会と、東京3会で2500票程度宮崎弁護士が高山弁護士をリードしていましたので、逆に言えば、東京大阪以外では、高山弁護士が「勝った」とも言えます。弁護士の世界でも、もしかしたら「中央と地方」の格差が広がりつつあるのかもしれません。


 ・・・


 大阪弁護士会の会長選挙の最終確定投票結果については、次の通りです(大阪弁護士会選挙管理委員会発表)。


2008年大阪弁護士会会長選挙
開票結果
投票総数3059票

上野 勝 1194(当選)
阪井紘行 1046
岩城本臣  781
白票     25
無効票    13
合計   3059


 立候補していたのは、阪井紘行弁護士(25期)(友新会推薦)、上野勝弁護士(26期)(法曹公正会推薦)、岩城本臣弁護士(27期)(五月会推薦)の3名で、「3つどもえ」の戦いだったそうです。大阪弁護士会の会員数から察するに、投票していないのは私だけ?という位みんな投票しています。激しい選挙戦だったことは、ここからも分かります。


 ちなみに、この「友新会」「法曹公正会」「五月会」というのは、大阪弁護士会の私的な組織でして、政党みたいなものです。大阪弁護士会には、ほかに、「春秋会」「一水会」「法友倶楽部」「法曹同志会」という合計7つの会派があります。


 私は、以前から申しあげていたとおり、大阪弁護士会の存在それ自体が、私の海外での活動の足かせになっていたため(何故に海外にいながら「特定公益活動義務」のために日本に戻らなければ行けないのか、タダですら月4万5000円の会費を「寄附」し続けているのに・・・)、私の所属している五月会の岩城弁護士には、この点の改善を要求し続けていたのですが(岩城先生も帰国後に代替措置を取ることで「懲罰的」な「負担金」制度を改める旨言明して頂きました)、当選された上野弁護士が、この点を是非考慮して頂いて、会員の自由な活動を認めてくださることを切に祈る次第です。